企業論〜企業、市場、そして社会〜

コース名

企業論〜企業、市場、そして社会〜

担当教員

野田 智義

必修/選択

必修

配当年次

一年次・前期

単位数

2単位

授業の目的

営利企業は、いまや私たちの世界経済を動かす主役である。とりわけ、グローバル企業は国境を越えてヒト・モノ・カネ・情報を動かし、小国のGDPを凌駕する売り上げ規模を有するに至っており、その世界に与える影響は甚大である。にも関わらず、これまで経済学も社会学も政治学も、その理論構築と実証研究において、企業という存在と概念を真正面から研究対象としてきたとは言い難い。また、経営学においても、「企業をうまく管理する」という観点からの研究こそなされてきたものの、経済社会システムの重要なアクターとしての企業の意義とその役割については、探究が十分になされていない。この科目では、歴史を振り返り、そして比較文化論に立脚しながら、企業の本質に迫る。とりわけ、法人企業は「ヒト」ではなく「モノ」であるにもかかわらず、社会において、「ヒト」同様の「法人格」が付与されている奇妙な「モノ」である。この法人化された企業という存在を分析対象の中心に、法制度論の変遷も紐解きながら、企業という存在の本質に迫り、<企業とは誰のために何のために存在するのか>を問う。

学修の到達目標

本科目での学修の到達目標は以下の通り。

  1. 企業の存在の意義、企業システムの本質を、歴史を遡りながら洞察し、世界に存在する多様な企業システムのモデルを、米国型、日本型を中心に、共通点・差異を掘り下げて分析する。
  2. その上で、企業をとりまく様々な環境の変化、企業のステークホルダーの期待・要請を理解した上で、企業に求められる倫理観も含め、学生各自が、今後あるべき、ありたい企業の姿を、「持論」として発展させる。
  3. 同時に、企業の経営を預かる経営リーダーに求められる資質、姿勢、人格を自身の今後の成⻑課題と紐づけながら、各自が明確にする。